視覚
マスク内の空気と水との屈折率の違いにより、物体が25%ほど大きく、近く見えます。
1メートルの魚も、1メートル25センチに見えるので、ちょっとオトクです。
また、水面から入ってくる太陽光は、赤から順に失われていきますので、水深30メートルを超えると青い世界が広がります。着ているダイビングスーツも、ちょっと地味に見えます。
でも、水中ライトで照らすと色が戻り、非常にカラフルな世界であることに驚かされますよ。
聴覚
水中は無音の世界だと思っている方もいるかも知れませんが、実はとっても賑やかです。
まずは自分の呼吸音。波打ち際で石が揺られてぶつかり合う音や、魚や甲殻類が巣を守ろうとして懸命に出す威嚇の音、近付いてくるボートの音など、様々な音が聞こえます。
また、イルカは「ピューイ」「ピィーピィー」「ギィィィ」「カカカッ」と、水中で本当によく喋りますし、クジラの鳴き声は、耳で聴くと言うより、振動として全身でビリビリ感じるといった方が近いですね。とっても感動しますよ。
圧力
なんといっても、約800倍にもなる空気と水の密度の違いが顕著です。
そのため大きな抵抗が生じるので、同じ運動でも水中の方が消費カロリーはずっと高くなります。
だからダイバーは、水中でガツガツ動かず、ゆっくり、のんびり活動するわけです。
また、密度は圧力にも影響します。陸上が1気圧だとすると、水深が10メートル増えるごとに1気圧ずつ増加するので、水深30メートルは4気圧もの圧力がかかります。自家用車のタイヤの空気圧が約2気圧ですから、その倍ですね。
ただ、人の体はほとんど水でできているので、圧力でペチャンコになることはありません。
圧力を知るために、水中に中空のゴムボールを持っていくとペチャンコになりますから、面白いですよ。
重さ
ダイビングの器材は、総重量で約15キロほど。片手で持ち上げるのはちょっと大変ですが、器材の多くは直接身体に装着しますので、力がない人でも十分持ち上がります。
陸上ではちょっと重たい器材ですが、水中では浮力を調整することによって、浮も沈みもしない状態=中性浮力を維持しますので、器材の重さは一切感じません。優雅にふわーっと水中を滑るように泳ぐマンタと同じ状態です。スキューバダイビングは器材のおかげで、私たちを水中環境に楽々適応してくれます。ありがたやありがたや。
季節
海の中にも四季はあります。
夏場にしか見ることができない生物もいれば、真冬にしかお目にかかれない生物もいます。
特に真冬の水温が低い時期に、30メートルを超えるようなディープダイビングをすると、普段はもっとずっと深い場所に生息している深海性のレアな生物が「浅瀬」に上がってくることがあるので、ぜひチャレンジしてください。(私たちにとって30メートルはディープですが、深海生物の30メートルはもう水面と一緒ですwww)
水温に関しては、陸上と比べて、大体1ヶ月から2ヶ月くらい、遅れて変化します。
だから、陸上の秋が海中の夏、陸上の春が海中の冬、といった感じでしょうか。
ダイビングは1年中楽しむことができますので、年間を通じて潜りにいくことで、四季折々の水中の変化を楽しむことができます。